案件管理・商談管理とは?
一般的な企業で行われている営業・マーケティング活動における案件管理・商談管理とは、具体的に発生している商談(予材管理における仕掛り)のみを管理することです。
すでに発生している案件、つまり「見えていることだけ」を管理しているので、営業活動にヌケ・モレが発生しやすいというデメリットがあります。
また案件管理・商談管理の場合、営業担当者が「これは受注できそうだからSFA(営業管理システム)に入力しよう」「この案件はお客様の反応がイマイチだからどうせ失注するだろう。だから管理しなくてもいいか…」というように自分が見せたい案件だけを報告しているケースも多く、営業活動がブラックボックス化していることも少なくありません。
案件管理と予材管理の違い
案件管理・商談管理に対し、予材管理はまだ発生していない予材も含めあらかじめ積み上げ見える化し、管理します。
商談化・案件化していない「潜在的な材料」まで含めマネジメントすることで、実際には商談が発生していなくても「白地のあのお客様の状態はどうかな?」「そろそろ訪問してアプローチできそうか確認しよう」と営業担当者が考えるようになります。その結果、引き合い対応だけをしていた営業が能動的なアプローチをするようになった、営業活動のヌケ・モレが減ったなどというメリットがあります。
予材管理でわかる!3つのポテンシャル
予材管理をおこなうことで3つのポテンシャルが見えてきます。
お客様のポテンシャル
お客様から具体的な話が来ていなくても、このお客様にはどれぐらいの「予材」が眠っているのか、お客様のポテンシャルをあらかじめ推し量ることができるようになります。
発生している案件だけを管理していると、そのお客様に対してアプローチし続けていいのか判断ができません。
その結果、営業が行きやすいお客様ばかりに足を向けてしまう、金額が小さくてもすぐ受注できるお客様を優先してしまうというリスクが発生します。
安定して営業目標を達成するには、まだ具体的な案件が発生していなくても、ポテンシャルのあるお客様と接触し続けることが大切です。
そのお客様のポテンシャルを知る上で、予材管理はとても有効です。
営業・マーケティングのポテンシャル
予材管理をはじめることで、営業部やマーケティング部が「目標に焦点を合わせているか」「日ごろからしっかり考えて行動しているか」が見える化されます。
予材管理シートを見れば、営業が「どんな仮説を立てているか」「どういう理由でお客様にポテンシャルがあると判断しているか」がわかります。「数字を意識しているか?」「能動的にお客様を訪問しているか?」によって、予材管理シートの精度は大きく変わってきますので、営業部やマーケティングのポテンシャルを測る指標となります。
目標達成のポテンシャル
予材管理は、発生している案件(仕掛り)だけでなく、まだ発生していない案件(白地)も管理するため、目標達成する可能性が見える化できます。
実際に「予材管理シート」を銀行に持っていくと、これまで下りなかった融資が下りるようになった、という声も多くいただいています。それは、予材管理の発想でつくられた営業計画が絵に描いた餅ではなく、客観的な説得性があると判断されたからに他なりません。