コンサルタントの岩山です。
今回は、セミナー等でもなかなか語ることのない「予材管理の失敗事例」についてご紹介します。
「予材管理」は、どんなに悪くても目標を達成させる営業マネジメント手法です。
→予材管理の実施例
一つ一つを取り上げても分かるように、予材管理を運用している企業は、目標予算を達成できるばかりではなく、営業パーソンやチーム全体に考える習慣が身に付き、結果、組織風土が良くなっていきます。
それらの点に優位性を感じ、自社での予材管理導入を行おうとする会社は多くあります。
一方で、予材管理の導入を決めてから3ヶ月後や半年後、マネジャーや経営者から改めて話を聞くと、次のような言葉が返ってくることも少なくありません。
「なぜかうまく定着しない」
「思っていたような結果が得られない」
「当社に予材管理は合わないのかも」
「予材管理で、本当に目標を達成できるの?」
簡単に言うと、懐疑的になっている状態です。
繰り返しますが、予材管理は、営業目標を達成させるマネジメント手法。
にも関わらず、こうした「失敗」とも呼べるケースが発生するのはなぜでしょうか?
予材管の失敗の原因は「白地」にあった?!
その理由は、「白地」にあります。
予材管理は3つの予材から構成され、見込み・仕掛り・白地があります。
見込みはすでに受注しているもの、仕掛りはお客様が認識しているもの、そして白地は営業パーソンが勝手に立てた仮説を指します。
見込みについては言うまでもありませんが、仕掛りに関しても、すでにお客様が認識している上、契約が目の前に見えていることから、営業パーソンは何とかして仕掛りを見込みにしようとします。
例えば、会議でその案件を取り上げて他の人からアドバイスをもらったり、上司とともに顧客を訪ねたり・・・
あらゆる手を尽くして、成約に持っていこうと努力します。
もちろん、その行動は評価すべきです。
なぜなら営業パーソンは、目の前の数字を作っていくことを会社から求められているからです。
営業がもっともマネジメントすべき予材は「白地」
しかし弊社の提唱する「予材管理」は、もっと中長期的な視野で目標を達成させることを大命題としています。
よって、マネジメントすべきは「白地」。
つまり、営業パーソンが勝手に立てた仮説=白地をただのアイディアで終わらせることのないよう、営業パーソンが能動的に営業活動をおこなう。
そうすることで、仮説を実際のカタチ=仕掛りにする。
放っておいたら・各営業パーソン任せにしていたらなかなか着手しづらい活動です。
だからこそ、組織で計画を立て定期的におこなっていく。
マネジャーは、部下のその行動を定期的にマネジメントする。
それら一連の流れをおこなって初めて、予材管理のスタートラインに立ったと言えるのです。
ここまで深く説明をすると、大半の方が誤った予材管理の運用をしていたことに気付きます。
あなたの会社で「予材管理運用がうまくいっていない・・・」と感じたら、今回ご紹介した状態になっていないかどうか、ぜひチェックしてみてください。
もしかすると、白地以外の予材をマネジメントしているかもしれません。
誤った予材管理の運用では、成果にはつながりません。
正しい予材管理の知識を身に付けていただき、正しい運用をおこない、成果を出す組織が増えることを切に願います。