コンサルタントの桑原です。
今回はマネジャーが予材管理表を使ってコミュニケーションをする際に、マネジャーが最初に見るべきポイントと組織への働きかけ方を解説します。
目標と見込みの差
いついかなる状況でも必ず、与えられた期間における目標と見込みから見なければなりません。
最終的にいつ、いくらを達成すればよいのか。
達成すべき期限と目標、それに対して足元の数字(見込み)がいくらなのか、正しく把握し、部下に対しても正しく認知させることから始めます。
(予材管理シートでは「目標実績累計」のグラフを見るところから始まります)
私はこれを「第一ボタンをはめる」ことと同義だと、現場で徹底させます。
あたり前のことのように思われるかもしれませんが、実際の現場ではマネジャーも部下も目の前に発生している事柄に意識が向いており「達成すべき目標はさておき」という状態になっていることが少なくありません。
わかり切っていることであっても「到達すべきゴールと進捗」を部下と共有することから始めましょう。
その見込みは「本当にそうなのか」
期限と目標、これは疑う余地もありません。期限と目標は経営目標、それを達成させるために与えられた役割に応じて求められる成果であり、現場で考える類のものではありません。
では見込みはいかがでしょう。
その数字は「ほぼ間違いなく来る」数字でしょうか。
その数値が「本当にそうです」と言い切るためには、マネジャーと部下の間で2つの共通認識が必要です。
1. 見込みの定義
2. 見込みの論拠
見込みの定義については何をもって見込みとするのか、内示?発注書?あるいは契約書?
見込みという言葉が具体的にどのような「状態」を指し示すのか。
一度すり合わせたつもりでも、運用していくうちに言葉の定義はずれていきます。
必ず定期的に確認しましょう。
見込みの論拠についてはビジネスモデルによって重要度が変わります。
特にルートセールス型の方は要注意です。
現場での状況把握をせずに、過去実績や予測推移が本当に論拠となり得るのか、こちらも見込んでいた数字と実実績との差異などを見ながら考えていくことが必要です。
予材管理とは「予定材料の状態管理」。
測るものさしが違えば、正しく事実を捉え、部下を導くことが出来なくなります。
あたり前だと思っているところにこそ、運用を誤る罠が潜んでいます。
気を付けましょう。