コンサルタントの酒井です。
教育学者である齋藤孝氏の『天才がどんどん生まれてくる組織』をお読みになった方はいらっしゃるでしょうか?
本書のなかでは、齋藤秀雄という桐朋学園創立者で、音楽を教えていた人物が紹介されています。
戦中から戦後にかけて、音楽後進国であった日本が世界に追いつくためには、これまでとは異なる指導法が必要だと考えた齋藤秀雄は、指揮というものの本質を徹底的に解明しました。そして、それを一つの「型」に落とし込みました。それは、「齋藤メソッド」と言われる、科学的な指揮法でした。そして、その「型」をもとに生徒たちに指揮を教えたのです。
すると、そこから世界的な音楽家が幾人も生まれました。
そのなかの一人があの小澤征爾です。
齋藤秀雄の学校は、「型」により、まさに「天才がどんどん生まれてくる組織」となったのです。
本書には、齋藤秀雄をはじめ、将棋の奨励会や宝塚歌劇団など、いくつもの実例が紹介されていますが、いずれも「型」にはめることで多くの人間を成長させています。
営業の天才を生み出す「型」とは?
さて、では、みなさんの組織は、「天才がどんどん生まれてくる組織」と言えるでしょうか?
世間では、「型にはまらないことが大切」「個々人の個性に合わせた指導をする」ことが最良の指導であるという考え方が一般的かもしれません。しかし、それは正しくありません。
「型」というのは、先人たちが試行錯誤の結果、生み出したものです。
初めは、型通りにやることの意味が分からないかもしれないですが、やり続けているうちに、その意味が腑に落ちる瞬間があるのです。
少し前の話ですが、支援に入っている会社で実施した予材管理研修のなかで、ある営業パーソンが、急に呟いたことがありました。
「そっか~、予材管理をやっていれば、そりゃ絶対達成できますね~」と。
予材管理は、最低でも目標を達成させる「型」です。
みなさんの組織が「天才がどんどん生まれてくる組織」ではなく、さらに何の「型」もないのであれば、すでに数多くの目標達成の実例を持っている予材管理という「型」を取り入れるべきでしょう。
予材管理は、多くの営業組織を「天才がどんどん生まれてくる組織」にするための「型」なのですから。
ちなみに、齋藤秀雄が「齋藤メソッド」と言われる科学的指揮法を生み出した背景には、当時の音楽家たちが「あまりに基本的なことができていないし、基礎知識がない」状況があったようです。そして、日本のクラシック音楽を伸ばすためには、「科学的根拠に基づく早期教育を施すしかない」と見定めたのだそうです。
私も齋藤秀雄と同じ気持ちです。
予材管理が生まれた背景と似て非なるものを感じざるを得ないのです。
参考文献:
『天才がどんどん生まれてくる組織』 齋藤孝著
2014年7月17日 日本経済新聞「日本指揮者列伝(3)」
『もし高校野球の女子マネジャーがドラッカーの『イノベーションと企業家精神』を読んだら』 岩崎夏海著
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