予材管理の現場から 予材管理ブログ

私が「なぜ?」と聞く理由


予材管理クラウドサポートスタッフの北村です。

みなさまには、昔からずっと取引をして下さっているお客様はいらっしゃいますか?

先日、予材管理表を介して営業パーソンとこんなやりとりがありました。
北村:「○○様の予材を拝見したのですが、仕掛りの選定理由が“以前から取り引きがあるから”となっている予材が多いのですが…」
営業パーソン:「そうですね。うちは昔から仕事の依頼がよく来るので」
北村:「○○様、“以前から取り引きがあるから”というのは予材の選定理由にはなりません」
営業パーソン:「??」
北村:「なぜこのお客様は○○様に仕事を依頼してくださったのでしょう?」
営業パーソン:「なぜって…昔からの付き合いですからね。理由なんてないですよ。あちらもそんな考えてないと思いますよ」

“取り引きをしてくれる理由なんて特にない”

このように思ってしまっている営業パーソンは意外に多くいらっしゃいます。
特に、既存のお客様から仕事の依頼が定期的に来ることが多い企業様では、待ちの営業が多くなってしまい、このように考えてしまう営業パーソンが多いのです。

したがって、予材管理表に記載されている予材に対し “なぜ?”とお伺いしても答えることができません。

「だって、そういうものだから…」と戸惑ってしまいます。

お客様は自身の問題を解決するために、商品やサービスをどこから買うのか決めます。
当然、理由もなく買って下さることはありません。
よって、“なぜ?”を考えられなければ次の予材(=白地)も考えることは出来ません。

できる営業はお客様への「つかみ」を持っている!

例えば、既存顧客のA社は飲食店を経営していたとします。
ある日、宣伝用のチラシ作成を依頼してきてくれました。

「昔からの付き合いだし依頼してきてくれたんだな。」としか考えなかった営業パーソンはおそらくチラシを納品して終ってしまいます。

しかし、

「A社はキャンペーンを次々展開していくスタイルで、チラシのデザインは既存のものでいいから、納品までのスピードを重要視している」

と理解している営業パーソンがいたとしたら、依頼された仕事をするだけでなく、そこから次の予材を生み出そうと考えます。
そして、A社に自分からアプローチをかけていくのです。

「そういえば、再来月に開店○周年記念のキャンペーンを行うとお伺いしたんですが、よかったらそちらの宣伝用のチラシも作りませんか?弊社なら○周年記念等で使用できるデザインもありますし、○日までにはご用意できます!」

たとえA社がチラシを作るつもりではなかったとしても、「それならば」と発注をお願いしてくれるかもしれません。

加えて、「納品までのスピード」というお客様の重要視するポイントも抑えているので、「今回は納品がいつもより遅くなってしまった」という状況が起こらないよう未然に防ぐこともできます。

常に“なぜ?”を考えているかどうかは、予材管理表の選定理由が書けるかどうかで分かります。
もし、「選定理由って言われても…」と思ってしまう方がいらっしゃったら、もう一度お客様と向き合ってみて下さい。

理由がわかった先に、今まで見えなかった予材も見えてくるかもしれません。