コンサルタントの酒井です。
今から約2年前の2015年12月に出版された横山の書籍、『話を噛み合わせる技術』。
すでに読まれましたか?
本書のなかでは、話を噛み合わせる2つのコミュニケーションとして、「表面コミュニケーション」と「論理コミュニケーション」が解説されています。
2つのコミュニケーションの違い
「表面コミュニケーション」はたわいのない話、雑談。お互いの関係を親密にするためのコミュニケーションです。
一方、「論理コミュニケーション」は「論拠」と「結論」がつながっている会話。何らかの問題を解決するためのコミュニケーションです。
私も社内のスタッフとはくだらない雑談をよくしますし、クライアントともよく結論のないようなたわいのない話をします。
そのほうが、いざというときに、話を前に進める「論理コミュニケーション」がうまくいくことを経験上知っているからです。
営業会議に必要なのは何コミュニケーション?
私は、組織の現場に入って目標を絶対達成させるコンサルタントです。
コンサルティングの一環で、営業会議に同席することもあります。
営業会議は、何らかの問題を解決することを目的に開催するものです。
つまり、「論拠」をもとに「結論」を導き出す「論理コミュニケーション」を行う場です。
しかし、多くの組織で実際に行われている営業会議は、
表面コミュニケーション【8】 論理コミュニケーション【2】
ひどい会議では、表面コミュニケーション【10】 論理コミュニケーション【0】となっています。
●マネジャー「A社の案件、その後どうなったんだ?」
○部下「社内で検討中となっています。確度はかなり高い印象です」
●マネジャー「B社の案件は、時間がかかっているようだが、どういう状況なんだ?」
○部下「フォローは継続してるものの、私の感触では厳しいと思います。」
●マネジャー「じゃあ、C社は?」
…
このように、
「事実」ではなく、「意見」をベースにやりとりする会議。
そんな会議が非常に多いです。
「意見」とは、個人的な見解や推論のことで、その人の経験によって左右されることが多いもの。
「事実」とは、調査や実験によって客観的に確認できるもの>です。
営業会議の場において、「話を噛み合わせ、何らかの結論を導き出すためには、その前提となる論拠が「事実」であるかどうかはとても重要」(『話を噛み合わせる技術』P143)です。
つまり、話を噛み合わせ、何らかの結論を導き出すには、論拠としての「事実」が反映された「予材管理」が必要なのです。
予材管理で事実に基づいた営業会議
●マネジャー「現状を言ってくれ」
○部下「今期目標1億円に対して、見込みが9,000万円、仕掛りが4,000万円、白地が5,000万円です」
●マネジャー「適正予材規模2億円に対して、予材合計が1億8,000万円。つまり2,000万円不足しているぞ。一体どういう状況なんだ?」
○部下「先週まであった仕掛り分の合計2,000万円が失注となったためです」
●マネジャー「失注になるのは仕方ないことだ。しかし、その分を予材資産から白地を考えられていないことが問題だ。早急に考えて、活動しなければ、このままでは目標未達成リスクが高いぞ。いいか?いつまでに2,000万円分の白地を描き、活動するんだ?」
○部下「予材資産から精査しまして、明日午前中までには予材管理シートに反映させます」
●マネジャー「分かった。正午に確認するから頼むぞ。では次に、個別に白地の状況を確認したい。A社の白地予材について説明してくれ」
○部下「はい、A社は12月に商品○▲×で250万円と設定しています」
●マネジャー「選定理由は?」
○部下「はい、先日購買担当のY係長より、品質管理部の担当者が、検査機の不良発生で早急に新しい検査機の検討を始めているという情報を確認したからです」
●マネジャー「では、具体的な次回アクションプランは?」
○部下「Y係長に、品質管理部の担当者とのアポイント調整を打診していまして、早ければ3日以内に状況ヒアリングのため、訪問予定です。」
●マネジャー「わかった。しかし活動予定日が更新されていないぞ。いつアポが確定するんだ?遅くとも明日には電話フォローすべきじゃないのか?訪問後には、金額、選定理由、次回アクションプランをそれぞれ更新しておいてくれよ」
○部下「承知しました」
このように「予材管理」をベースにすることで、営業会議は劇的に変わります。
「予材管理」は、目標達成するための「話を噛み合わせる技術」なのです。
営業マネジメントのやり方、営業会議の進め方に悩んでいる方は、まずはご相談ください。