コンサルタントの桑原です。
前回のブログでは「見込みの見極め方」について解説をしました。
今回はマネジャーが予材管理シートを使ってコミュニケーションをする際に、マネジャーが見るべき「仕掛り」のポイントと組織への働きかけ方を解説します。
その仕掛り、本当に仕掛かっているのか
仕掛りとは文字通り、その予材がお客様に仕掛かっている状態を指します。
基本定義としては、営業だけではなくお客様もその提案における購入時期、費用、その他諸条件を認識していることが求められ、多くの企業で「見積もり提出」などをもって仕掛りと認識している場合が多いです。
しかし、記載された仕掛りが登録から随分日がたつにも関わらず、ネクストアクションも定まらないまま放置状態、いわゆる「塩漬け予材」になっていることはないでしょうか。
その場合、下記のような要因が主に考えられます。
原因1. 認識すべき人に認識していただけていない
予材を進めるうえで「その提案(予材)が誰に認識いただいているか」が重要です。
経験のない営業ほど、交渉窓口に見積もり提案を持ち込めばご親切にも相手が社内で採用にむけ立ち回ってくれるものと無邪気に考えます。
決裁者にこちらの提案がとどくよう予材配線で俯瞰し、KPIカウントシートなどを駆使して正しく認識いただける布石を打たねばなりません。
原因2. 相手が購入される理由をつかんでいない
仕掛かっているという営業の主張に論拠はあるでしょうか。
「このお客様はこのような課題をお持ちであるため、当社サービスのこの部分をご評価いただいています」
という購入の確信となる事実を押さえないまま、お客様の表面的な要望に振り回される営業は
価格とスペックのたたき合いの泥仕合に巻き込まれるだけです。
原因3. ネクストアクションが能動的ではなく受動的
「相手の返答待ちです」という営業ほど無責任な存在はいません。
こちらから提案を持ち掛けているにも関わらず、結果は相手次第の傍観者。
良い返答をいただけるために自らできることは今本当にないのか、電話一本入れることは本当に不要なのか、最後の一瞬まで考え抜き能動的に手を打つ習慣の欠落が予材管理シートには如実に反映します。
仕掛りとは、白地(アイデア・決意表明)から育て上げた白地を刈り取る、攻めの姿勢が求められる予材です。
予材管理シートから正しく読み解き、営業の姿勢と行動を是正したいですね。