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見込予材の精度が低い営業パーソンに気をつけてください


コンサルタントの山北です。

営業活動には期限とノルマがあります。

期限があるからには、できるだけ未達成リスクに対して前もって活動する必要がありますが、見込みの精度が低い営業パーソンは未達成リスクに対して前もって活動することができません。

見込の精度が低いと一気にリスクが高まる

どういうことか事例をお話しします。

たとえば3月末が決算のAという会社があるとします。

A社の営業パーソンBさんは9月末時点で年間売上予算1億円に対して年間見込予材量が9000万円だと発表しました。

しかし、4か月後1月末時点で見込の精度が甘かったことが発覚し見込予材量を7000万円に訂正することになりました。

もし、9月末時点、つまり残り半年ある段階で、3000万の未達リスクがわかっていたら、上司もそのリスクに気付き、未達を回避する活動を設定し、不足分を埋められた可能性があります。

また不足分をほかのメンバーに早い段階でカバーさせることで組織全体の未達を避けることができたかもしれません。

しかし1月末時点、残り2か月の段階で、未達リスクが発覚した場合、そこからリカバリーしようとしても到底間に合わないということが起こります。

見込みは基本、100%受注できるもの

このような見込精度が甘い営業パーソンは今年、来るはずもない、昨年の大型スポット案件などを排除せず昨年対比をそのまま希望観測で見込設定しており、その結果設定していた見込を下回るケースがあります。

市場で販売が落ちている場合に、自分の希望観測で減額予想を設定し、結果予想以上に大きく下回るケースもあります。

営業をやっていると、見込みが少ないことを恥ずかしいと感じます。
また、上司から数字のことで、厳しく当たられることを避けたいと考えます。

そして、今現状においてだけでも、未達リスク金額が多いことを上司や周りに知られないようリスクを隠してしまいます。

しかし、その結果、取り返しのつかないタイミングで、予想を大きく上回るリスクが発覚し未達になることは避けなければなりません。

そのような状態を避けるため、私が支援に入った場合には見込み予材をシビアに設定します。

昨年対比を見込なければならない、営業スタイルの場合には、徹底的にスポット案件を排除し、例年の流れがあったとしても、80%で見込を設定するケースもあります。

リスクを考えて、営業活動を組み込もう

当然、リスクは大きくなるため早い段階から活動を強化することになります。

市場の状態が悪い場合には、営業が10%減で設定するならば、20%減で設定してその金額でリスクヘッジするための手を早い段階で、検討し、活動してもらうこともあります。

より大きいリスクを想定しておけば、そこに合わせて活動を組み込むことができます。
その結果、数値が上振れした場合、問題になることはほぼありません。

また、期末に足りない分を埋めるために、無理に顧客に商品を押し込むことや、値引きして最終の利益を落とすことを避けることにもつながります。

そうした指導をする際、営業にはこのように伝えます。

「早い段階で、リスクが大きいことは問題にしません。
大事なことは、リスクを埋めるための活動を早く計画しスタートすることです。
現時点で想定するリスクはできるだけ大きく表現してください。」

リスクを大きく予想して営業活動を設定することが正しいことだと認識させることで、自分の数字をかたち上だけ良く見せようとする営業パーソンは少なくなります。

営業活動で大事な精度とは、見込み予材の数値を完璧に合わせることではありません。
下回らない数値の設定精度だと考えます。

ぜひ、予材管理を運用する際には、見込み予材の精度を高めていただきたいです。