コンサルタントの山北です。
私たち、アタックス・セールス・アソシエイツのコンサルタントは営業組織に予材管理を導入して、組織の目標達成につなげる指導を行います。
私自身、過去何千人にもおよぶ予材管理シートを見てきた経験から、シートの入力内容を見るだけで営業パーソンの力量をひと目で把握できます。
この記事ではダメな営業パーソンに共通する白地の記載内容について、代表的な問題点を3つご紹介します。
ぜひ、ご自身の組織で運用している予材管理シートと照らし合わせて
マネジメントに活用いただければと思います。
ポイント1)白地の金額を適当に書いている
ポイント2)明らかにあり得ないタイミングに白地予材が組まれている
ポイント3)次回の活動内容がコピー&ペーストされている
ポイント1)白地の金額を適当に書いている
予材管理では目標予算の2倍の予材を常に積み上げて活動しますが、
話が進んでいない仮説の予材「白地」がもっとも重要な要素となります。
営業の販売単価に変化がないビジネスの場合は除きますが、
商品やサービスの単価が複数ある場合には、お客様のニーズやポテンシャルを論拠にして、
予材を組み込まなければなりません。
最初はまったくの仮説で書いた白地も、日ごろの活動で得た情報収集をもとに、
随時想定される金額は修正されていくのが普通です。
目標予算の2倍に足りないからといって、数字を合わせるためだけに白地を書き込んでいる営業パーソンは、
「10万なら10万」「100万なら100万」といった不足分をてきとうに同一金額で並べるため、
明らかに手抜きしていることがわかります。
このような営業パーソンは営業目標に対して逆算して考え、仮説をえがき、
その仮説を現場で検証する、つまり白地を書く習慣がありません。
常に発生する仕事、受け身の仕事で売上が構成されていることが多いです。
上記のような場合、当然「白地」が機能しないため、「仕掛り」や「見込み」の状態にはなりません。
そもそもそのような手抜きで設定した白地に対して動くことすらしない営業パーソンもいます。
(とりあえず2倍になるよう予材を書いてそのまま放置ということも考えられます)
部下の「白地」を見て明らかに手抜きしている金額表記が並んでいる場合には注意してください。
ポイント2)明らかにあり得ないタイミングに白地が組まれている
予材管理ではいつ(何月)に受注する予定の予材という仮説を立てて予材の金額を入力します。
ビジネスモデルによっては若干、当てはまらないケースもありますが、分かりやすい例は以下のような例です。
A社は商談発生から受注まで最低3か月近くかかるビジネスの会社です。
営業Bさんの予材管理シートを確認すると、当月、「白地」のまま表記されている予材が5つありました。
商談化しても3か月はかかるはずなのに、当月、受注予定になっているのは明らかに論拠が破綻しています。
このようなケースの営業は白地に対してそもそも行動をしていません。
その結果、更新もされていないためそのようなことが発生します。
(とりあえず2倍になるよう予材を書いてそのまま放置ということも考えられます)
また、すでに敗退や終了になっている予材を消していないケースもあります。
その場合、営業パーソンは目標予算の2倍の予材がないことがわかると、
また新しい予材を積まなければならないと考えます。
できるだけ予材を消したくないという気持ちから予材を消さないという事が発生します。
形にならない予材は外し、その分をリカバーする白地の仮説を立てて動くという、
新陳代謝をしなければ予材管理の中身は良くなっていきません。
自社の商談リードタイムと、明らかにズレているタイミングの白地が表記されている営業パーソンには注意が必要です。
ポイント3)次回活動内容が大量にコピー&ペーストされている
これは、白地の次回活動内容の欄に、全て同じ内容が書かれているケースです。
例えば「定期訪問」や「情報収集」といった活動予定内容が目立つほど複数記載されているケースです。
次回の活動予定には、お客様別の活動予定が記載されなければなりません。
お客様ごとに、ポテンシャル、ニーズ、組織構成、顧客のビジネスが異なるため個別のアクションが必要になるからです。
それにも関わらず、「定期訪問」や「情報収集」といったあいまいな活動内容を大量にコピーして表記している営業は
そもそも情報とニーズをもとに白地の仮説を考えていません。
また白地を仕掛りに進めるために何をする必要があるか考えていません。
(とりあえず2倍になるよう予材を書いてそのまま放置ということも考えられます)
このような次回活動予定をコピー&ペーストしている営業には注意が必要です。
以上3つのポイントに共通することは、
とりあえず予材が目標の2倍になるように予材を書いて、
そのまま放置している予材管理を運用している営業パーソンにはマネジメントが必要だということです。
マネジャーが気づいて修整しなければいつまでも変わらない運用を続けることになります。
ぜひ、メンバーの予材管理を見て問題ポイントを改善してください。