コンサルタントの酒井です。
今あなたの目の前に、貯金が1,000万円ある男性が2人います。仮にAさんとBさんとしましょう。
Aさんは、現在の会社に勤め始めて12年。
平社員からスタートしましたが、実績が評価され、順調に主任、係長と昇格し、この春にはついに課長に昇格しました。
コツコツと貯蓄もしており、現在1,000万円の貯金があります。
Bさんは、現在の会社に勤め始めて12年。平社員からスタートしましたが、会社から評価を得られず、未だ平社員のままです。
しかし、先日たまたま仕事帰りに立ち寄った宝くじ売り場で購入したスクラッチが見事当たりました。
その当選金額は1,000万円。今まで貯蓄をしておらず0円の状態でしたが、現在1,000万円の貯金があります。
今あなたの目の前に、このAさんとBさんがいます。
さて、あなたが女性で、Aさん、Bさんいずれかの男性から結婚を申し込まれたとしたら、どちらを結婚相手に選びますか?(人間性や相性、その他条件には差異がないものとします)
もし、あなたが男性なら、娘がいるとしましょう。
娘がAさん、Bさんいずれかの男性と結婚するとしたら、どちらを選んでほしいと思いますか?
言うまでもなく、Aさんでしょう。
その理由は安定性があるからです。
Aさんの貯蓄額1,000万円は会社からの評価の結果、手に入れたお金。今後も安定的な収入が期待できます。
一方、Bさんの貯蓄額1,000万円はギャンブルで手に入れたお金。つまり、来月以降も安定的に入ってくるお金ではありません。
また、これまで貯金額が0円であったということですから、安定した生活が送れるかどうか不安を感じてしまいます。
私にも娘がいますので、Aさんをぜひ選んでもらいたいと切に願います。
※内閣府の平成26年度「結婚・家族形成に関する意識調査」報告書で、女性が結婚相手に求める条件の上位に、「金銭感覚」、「経済力があること」が挙げられています。
どちらの営業を評価しますか?
では、お次のお話。
今あなたの目の前に、営業パーソンが2人います。仮にCさんとDさんとしましょう。
Cさんは、現在の会社に勤め始めて12年。
既存のお客様はもちろん、新規のお客様に対して、能動的な水まき活動を習慣にしています。
また、Cさんはお客様が困っていることを察知して、事前に提案することを心がけています。その結果、Cさんは多くのお客様から信頼を集めています。
今すぐ提案を受け入れてくれるお客様ばかりではありませんが、時期が来たら、Cさんから購入しようと考えているお客様がほとんどです。
その結果、毎期目標予算を下回ることはなく、達成し続けています。今期もすでに1億円の目標予算は達成する見通しが立っています。
Dさんは、現在の会社に勤め始めて12年。
お客様からのご相談があれば、一所懸命に対応しますが、自分からお客様に対して活動する習慣はありません。
先日、新規の大口客からご相談があり、一所懸命に対応した結果、受注をいただけることになりました。
その結果、今期すでに1億円の目標予算は達成する見通しが立っています。
あなたがCさんとDさんの会社の社長だとしたら、どちらを評価するでしょうか?
言うまでもなく、Cさんでしょう。
この場合も、その理由は、安定性があるからです。
安定性を得るにはどうすればいいのか?
AさんとCさんには安定性があります。
ではどうして、AさんとCさんは安定性があるでしょうか?
それは、1,000万円の貯金をしているAさんの場合、コツコツと貯蓄をし続けているからです。
毎期目標予算を達成させ続けているCさんの場合は、コツコツとお客様と接触をし続けているからです。
ポイントは「コツコツ」です。安定性を得るには、「コツコツ」やり続けることなのです。
「資産」という言葉があります。貯蓄は、資産です。
信頼関係を構築できたお客様は、営業パーソンにとって「資産」です。※予材管理では、「予材資産」と言います。
今すぐに成果やリターンは得られなくても「資産形成」くらいはできます。「コツコツ」やり続ければ、ちょっとずつでも貯金はできるし、人間関係もできます。
「資産形成」くらいはできるのです。
良くないのは、資産がないのにも関わらず、リターンを求めること。それは再現性がありません。
Bさんのスクラッチも、Dさんの新規大口客も、再現性がありません。たまたま運が良かっただけ。
それはギャンブルです。
ギャンブルのような経営、営業活動は、リスクしかありません。
予材管理とは、目標の2倍の「予材(予定材料)」をあらかじめ積み上げ、目標未達成リスクを回避する(最低でも目標を達成させる)経営マネジメント手法です。
多くの企業で導入されているのは、「安定的な目標達成」という成果を収められるからです。ギャンブルではなく、堅実な経営、営業活動をしたいものですね。