予材管理の現場から 予材管理ブログ

トップセールスは無意識に予材管理をしている


コンサルタントの酒井です。

当社では、コンサルタントとしてのポテンシャルのある方を募集し続けています。私は採用担当をしていますので、定期的に面接をしています。

先日もお一人の方と採用面接をおこないました。

面接を受けに来られたのは、29歳男性。これまで銀行に勤めていて、投資信託や生命保険の営業として、エリア120人のうち個人実績1位という方でした。

面接官である私は、彼の営業活動のスタンスを知るために、「どういうことを大事にして営業活動をしてきたのですか?」と質問しました。

すると、彼は「信頼関係です」と答えました。

「信頼関係」

この言葉ほど、採用面接で使われる言葉はないかもしれません。

中途採用面接では、あまりにお決まりのフレーズのため、その回答に対して、私はいつもほぼスルーします。

お客様から契約をいただく、それも定期的に契約をいただくには「信頼関係」が必要なのは、新入社員でも知っていることだからです。

重要なのは、「では、信頼関係を築くために、何をしてきたのか?」ということです。今回も同様に質問をしたところ、彼は答えました。

 

「他の営業は闇雲にリストに対して電話するのですが、私は顧客のお金の流れから推察して、仮説を立て、アプローチリストを作成し、結果を踏まえて、常にアプローチリストの整備を繰り返していました」

「お客様に定期的なコンタクトを欠かさずやっていました。お客様によってコンタクトする間隔はそれぞれですが、売り込みはせずに、お客様に役立つ情報提供と状況伺いの情報収集に専念していました」

「『お客様の資産が増えるようにご一緒に考えませんか?』という投げかけをして、来店を促していました。また『行かなきゃ損だ』と相手が思ってもらえるように、相手に合わせて話をしました」

「他の営業は1日20件くらい電話するのですが、私は3倍の件数を電話していました」

 

「やっぱりそうだよな…」

私はこれらの話を聞き、彼の行動がお客様と信頼関係を築き、結果として120人中1位という営業成績を収めることに繋がったことをリアルにイメージすることができました。

目標達成するために必要なこと

私は現場に入って組織の目標を絶対達成させるコンサルタントです。

組織が安定的に目標達成するために必要な手順を「マネジメントレベル10段階」として体系化し、その組織の現状の段階に合わせて指導しています。

「予材管理の運用」もその手順のなかの一つです。

採用面接をした彼は、予材管理の知識がまったくなかったのですが、私が「やっぱりそうだよな」と思ったのは、彼が試行錯誤を繰り返した結果、無意識に予材管理の考えに基づいて、行動していたからです。

顧客のお金の流れから推察して、仮説を立て、アプローチリストを作成し、毎日結果を踏まえて、常にアプローチリストの整備を繰り返した

彼は、「予材ポテンシャル分析」をしています。
アプローチすべき先は、今すぐ仕事をくれるお客様ではなく、今すぐかどうかは別にして、予材ポテンシャルのあるお客様です。自社の商材を購入するポテンシャルのあるお客様のリストをどう準備するかが、目標達成するかしないかの分かれ目になると言っても過言ではありません。

詳しくはこちらを参考にしてください。

お客様に定期的なコンタクトを欠かさずやっていた。お客様によってコンタクトする間隔を決め、売り込みはせずに、お客様に役立つ情報提供と状況伺いの情報収集に専念した

彼は、「種まき」「水まき」活動をしています。

お客様ごとに決められた間隔(=KPIインターバル)に従い、淡々と接触を続けています。すぐに売り込もうとせず、単純接触を繰り返すことで、お客様との関係性を築いています。

詳しくはこちらを参考にしてください。

『お客様の資産が増えるように一緒に考えませんか?』という投げかけをして、来店を促していた。また『行かなきゃ損だ』と相手が思ってもらえるように、相手に合わせて話をしていた

彼は、白地(仮説)を立てたうえでお客様にアプローチしています。

「売りたい」という気持ちを抑え、「お客様視点」で考え、どんな刺激を与えれば、こちらが期待する反応がお客様から得られるのか逆算して考えています。

売りたいという営業側の視点ではなく、お客様が自社を選ぶとしたらどんな理由があるのか、お客様視点で予め仮説を立てて行動しています。
詳しくはこちらを参考にしてください。

「他の営業は1日20件くらい電話するのですが、私は3倍の件数を電話していました」

彼は大量行動をしています。

どれぐらい努力すれば期待どおりの成果を手に入れられるかはやりながら見つかるものです。彼は一般的な基準の3倍の活動をしなければ最低でも目標達成することはできないと考え、やり続けています。

予材管理は、トップセールスのあたりまえの習慣

書店に行けば、圧倒的な営業実績を上げてきた人の書籍が並んでいます。

その中には、万人にはマネのできないものも少なくありません。超人的な手法で、あくまでもその人だからできることなのです。

しかし、今回ご紹介した「予材ポテンシャル分析」「種まき水まき活動」「白地」「大量行動」は。やろうと思えば誰でもできるものだということがお分かりでしょう。

予材管理は、トップセールスがあたりまえにやっていることを体系化したものなのです。
特別な能力を持っていなくても、この基礎習慣を身につけることで、誰もが目標くらいは達成できるようになります。

「個人」としてだけでなく、「組織」の習慣として定着させることができるのが予材管理です。

まずは、今回ご紹介したトップセールスの彼と、ご自身(自組織)の営業活動とを比較することから、予材管理運用のイメージを持っていただければと思います。