こんにちは。予材管理サポートスタッフの村瀬です。
「営業改革って、大変ですね。」
IT関連企業の営業部長Sさんがため息をつきつつ、こぼしました。
Sさんの部署は目標予算の未達が続いているため、まず行動量を増やそうと部下たちに、次のように話をしたそうです。
「目標予算を達成させるために、まずはお客様への訪問量を大幅に増やしていきましょう。 まずは、1週間の訪問件数を今までの1.5倍にします」
すると、部下からは、
「訪問量を増やすって言ったって、相手だって忙しいから、何度も訪問をしたら、相手も迷惑がるんじゃないですか? それに、新規開拓は大事ですけど、何の準備もなく訪問したら、かえって嫌われますよ。 だからこんなことやっても意味ないんじゃないですか?」
という反論が返ってきて、Sさんはなかなかご自身の意図が伝わらず、疲れてしまっているようでした。
ストローマン論法で現実から逃げる部下
Sさんは部下に「訪問量を増やそう」としか伝えていません。しかし部下は勝手に「既存のお客様に迷惑になるほど何度も訪問する」、「新規のお客様に準備もなく訪問する」と相手の意見をすり替えてしまっています。
この部下は、今話題の「ストローマン論法」を駆使しています。
ストローマン論法とは、「議論において対抗する者の意見を正しく引用しなかったり、歪められた内容に基づいて反論するという誤った論法、あるいはその歪められた架空の意見そのもの(wikipediaより)」で、議論をゆがませる論法だそうです。
宇多田ヒカルさんがTwitterでつぶやいて、トレンドワードにもなっていました。
Sさんに、この発言をした部下は安定して目標予算を達成できているのか、とお聞きしたところ、できていないとのこと。
やっぱり。
これは、「予材管理ダイレクト支援」を通して多くの営業パーソンと話をしている私の印象なのですが、目標未達の方ほど、ストローマン論法などをはじめとして、議論のすり替えを行ってくるのです。
そして、それは、多くの場合、もっともらしく聞こえます。
Sさんも「もっともらしく聞こえる部下の反論」に少し動揺してしまったようでした。
しかし、この部下の発言は詭弁です。
目標未達という現実を直視せず、論点のすり替えをして、自分を正当化しようとしているのです。
目標未達だから、論点をすり替えるのか、論点をすり替える癖があるから目標未達なのかは、わかりません。
Sさんには、この部下の詭弁に惑わされずに、
「君は私の発言をゆがめて受け取っていないかい?目標予算を達成させるためにお客様への訪問量を増やしていこうと言っただけだよ。君は目標予算を達成できていないよね?行動量を増やさずにどうやって目標予算を達成できるか意見を聞かせてくれ」
と、言ってみてはいかがですか?と伝えました。
目標達成に向けて、なんだか発言がかみ合わない、建設的な議論ができない場合は、議論のすり替えがされていないか、よく確認してみてください。
そして、事実を元にした議論になっているか気を配ってみてください。