SFAはなぜ問題が多いのか?
私は企業の現場に入って目標を絶対達成させるコンサルタントです。
営業の生産性をアップさせるうえで、SFA(営業支援システム)が重要な役割を担うことはよく知っています。
しかしながら、なかなかうまく活用できていない組織が多いのも事実です。
それはなぜなのか? これから考えていきましょう。
書いたとおり、SFAを導入し、成果を出すためには、
1)定着
2)試行錯誤
3)安定運用
この3つのプロセスを念頭に入れておくことです。
うまく活用できない組織が多いのは、成果を出すまでの道のりが、けっこう長く険しいからと言えるでしょう。
SFA導入のゴールが、安定運用ではないからです。
交通費精算システム等とは異なり、SFAを導入しただけでは、すぐに期待どおりの成果を手に入れられません。
そのせいで、導入前に膨らんでいた期待が、導入後に急激にしぼんでしまうから、「期待を裏切られた」と思う人が多いのだと思います。
この勘違いを現場にさせてしまうことが、SFAの最大の問題と言えます。
ちゃんと手順を踏んで、準備をし、運用していけば、成果を得られるのは間違いないのですから。
予材管理をSFAで活用できるか?
目標の2倍の予材をあらかじめ仕込んで、絶対達成させる営業マネジメント手法を「予材管理」と呼びます。
私どもが予材管理を使った営業コンサルティングをスタートさせ、15年近くが経過しました。
この間、予材管理は多くの企業で取り入れられ、運用されています。
予材管理が評価されるのはいいですが、しばしばSFAの導入企業で、いくつかの問題が発生することがあります。
予材管理はメソッドです。メソッドであるため、当然のことながら、仕組みであるSFAと組み合わせることはできます。
予材管理とSFA。このようなコラボレーションを図ろうと、多くの会社が、これまでチャレンジしてきています。
しかし、うまくいっている会社は多くないのです。
予材管理の哲学は「シンプルマネジメント」
予材管理をSFAという仕組みを使って実現しようという会社があります。
しかし、あまりうまくいっている会社を見ません。
それはなぜか?
予材管理の基本哲学が「シンプルマネジメント」であるからです。
あれもこれも考えず、とにかく目標の2倍の予材を仕込む。
この「鉄則」をぶれずに、マネジメントすることで目標が達成されていきます。
シンプルであるがゆえに、現場の営業パーソンたちが、日々考える習慣を身につけようとするからです。
この思想が、予材管理の根底に流れている以上、膨大な機能を実装するSFAという仕組みとはマッチしないことが多いのです。
情報システムで予材管理を活用したいのであれば、「予材管理クラウド」というソリューションがあります。
商談の履歴も、お客様企業の情報、人脈情報もほとんど残すことができません。「予材」に関連する情報を最低限、記録できる程度です。
「あったらあったでいいよね」
という情報を残したがる人に、予材管理クラウドは不向きでしょう。
極限まで生産性を上げないかぎり、労働時間を減らして結果も出しつづけることが難しい時代です。
SFAを活用して予材管理を定着させることはできます。
そのときは、できるかぎり多くの機能をフル活用しようとせず、シンプルに使いこなすことを強くおススメします。