コンサルタントの岩山です。
ここ最近、気になっているコマーシャルがあります。
CMに出演しているのは、イケメン俳優の面々。
それが、松坂桃李、菅田将暉、賀来賢人、間宮祥太朗、杉野遥亮の5人です。
中でも、私が特に注目するのは菅田将暉。
菅田さんは、ファンタやコカ・コーラ、auの三太郎シリーズ・花王のメンズビオレなど多くのCMに出演しています。
皆さんも一度はTVで見たことがあるのではないでしょうか。
CMのみならず俳優として活動をしており、私がハマったのは、今年2019年1月のこと。
3月まで日本テレビで放送されていた「3年A組―今から皆さんは、人質です―」で教師役を務めており、ドラマを毎回欠かさず見るうちに徐々にファンになってしまったのです。
そんな菅田将暉をはじめ、5人の若手俳優らがアツく語るテーマは、なんと“洗濯”。
今をときめく若手俳優たちが、楽しそうに・時には真剣に、洗濯談義を交わしている。
そのギャップにインパクトを受け、記憶に強く刻まれたのです。
紹介されているのは、4月に新発売となった花王のアタックZERO。
世界初となる洗浄技術の採用や、片手でも計量可能なワンハンドプッシュ形状のボトルがウリだそうです。
「面白いCMが流れてるなぁ」
「へぇ~っ、そんな商品が新しく出たのか」
そう思っていたある日のこと。
近所のスーパーの日用品売り場に足を踏み入れた私は、目を丸くしました。
なぜなら、つい先日まで催事場だったはずの一角がガラッと変わっていたから。
しかもそこには、このところCMでよく目にするアタックZEROが、山のように並んでいたのです。
洗剤としては見慣れない形の白いボトルが、これでもかというほど積み上げられている。
その様を見て、私はあるキーワードが脳裏に浮かびました。
それが『白地』です。
ライバル会社から、シェアを奪う方法
私たちが営業活動をおこなう際、売上や利益の目標達成をするために、多くの人はまずはじめにこう考えます。
「競合他社・ライバル社のシェアを奪い、成果を出す」
仮に、“洗濯用洗剤”をスーパーやドラッグストアに販売する会社で働く営業パーソンだったとしましょう。
現在は、洗剤売り場全体の20%に当社の商品をおいてもらっている。
その割合を30%、40%…と高めていきたいわけです。
これがいわゆる『白地』です。今は棚の占有率が20%なわけですから、まだ白地が描ける可能性があります。
棚すべて、100%を自社商品で埋め尽くすことはできずとも、せめて半分、棚全体の50%は当社の製品をおさめたい。
そう考えたとします。
すると、差し引いた「30%」分を白地とすることができます。
そうして「30%の白地」をあらかじめ描いているからこそ、それを実現するためにどうすればいいのか、逆算して考えられるようになるのです。
例えば、
- 自社製品のどれをスーパーさんに重点的にご紹介するか。
- 他社商品との差別化ポイントは何なのか。
- セールスポイントをどのように訴求するのか。
事前に仕込んでおいた「30%の白地」が、まず先にある。
立てた仮説をただのアイディア・妄想で終わらせるのではなく、実際のお仕事や案件として形にするために、自分がどう立ち回るか?とあれこれ考える。
自分一人の力ではアイディアが足りないようなら、上司や周囲に相談する。
それをおこなうのが、あたり前なのです。
ライバル会社がいない場所で、一人勝ちするには
さて、ここまでは「自社の製品を採用し、ライバル社のものから切り替える」というアプローチで、白地を描く方法について触れました。
ですがこれ以外でも、『白地』を描くことはできます。
それが、「新たな棚をつくる」という発想です。
最近まで催事場だったはずの場所に、アタックZEROが山積みされていたお話しを先に述べました。それがまさに、「新たな棚をつくる」切り口で白地を描くということです。
どういうことか?
既存の範囲内、つまり、現状の棚全体の大きさを最大値としてしまうのではなく、新たな棚を作ることはできないか、既存の枠を広げられないか考えるのです。
すると、こんなふうに想像できます。
「今、TVコマーシャルが流れているので、商品の認知度が上がっている。このタイミングで、それのみに特化した商品棚を設けることによって、お客様(消費者・エンドユーザー)にご購入いただける可能性が高まるかもしれない」
このアイディアを元に、白地を描いてみます。
とは言っても、このままの形では営業マンのみのメリットにしかなりません。
お客様視点が完全に欠けてしまっています。
ですので、「お客様にとって、どういいか」という要素を付け加えるのです。
「お客様が(消費者・エンドユーザー)購入することによって、スーパーさんの売上が上がる」
「気候があたたかくなり、汗をかくようになる季節。汚れがよく落ちる洗剤が家にあると、お客様がこれはイイ!助かる! と思ってくださるかも」
と、主語をお客様にして考える。
そうすると、これまで決めつけていた最大値が、最大ではなくなります。
さらに「お客様にとって、どういいか」という視点で考えているので、営業マンだけの都合にならず、お客様が聞く耳を持ってくださりやすい。
言い換えると、『白地』の質が高くなり受注率・成約率が上がるのです。
「2倍の予材なんか、どこにあるんだ!?」
「これ以上は白地を積み上げられない…」
そう思う人ほど、マジメであり、柔軟性に欠けるのかもしれません。なぜなら、既存の枠内でしか発想していない可能性があるからです。
本来、白地はもっと自由に発想できます。
洗いたての白いシャツのように、一度頭をまっ白にして『白地』を考えてみましょう。