こんにちは、クラウドサポートスタッフの佐藤です。
4月に入って新入社員をよく見かけます。
私も当時、入社式に参加していた頃を思い出します。
私は前職、携帯販売代理店に勤めておりました。
入社式後、配属先店舗が決まり、私はずっと勉強の毎日でした。
元々接客が好きだったので、そんなに苦労せず売り上げの成果を出すことができ、その後、責任者へと昇格することができたのです。
責任者となった私は今まで通り結果を出し続ければ良い、そんな軽い気持ちで臨んでおりました。
しかし、今までの個人の目標とは違い、店舗の目標は個人の頑張りではどうしようもなく、スタッフを動かさない限り、到底、達成しない事に気づいたのです。
また、当初の担当店舗のスタッフの状態はとてもひどいものでした。
- お客様の反応を気にしすぎて提案をしない
- 目標達成意欲が全くない
- 商品知識が乏しく、お客様対応が満足にできない
そして店舗の評価はというと、利益獲得15店舗中14位
店舗の状況を見てなんとなく理解しておりましたが、当時の私は本当にこんな店舗を担当して大丈夫なのかと、とても不安でした。
いろいろと改善をしたいものの、私はマネジメントが未経験。
誰かに成果を出すためのマネジメントを学んだわけでもなく、1年も経たずに教育をする立場になったものですから、店舗責任者としてのマネジメントは、とてもひどいものだったと思います。
しかし、そんなスタッフの状態もひどい上に、まともにマネジメントができていない私が、店舗の評価を、利益獲得15店舗中5位へと大幅に上位へ上げることができたのです。
ではなぜ大幅に成績を上げることができたのでしょうか。
それは非常に単純なことで、誰にでもできるようなことです。
当たり前のことをやり続けること
私が特に頑張ったと記憶にしているのは以下の3点。
(1)ヒアリングシートの活用
(2)お客様へ後追い電話フォロー
(3)接客の楽しさを体験させる
(1)ヒアリングシートの活用に関して
お客様の要望を正確に聞き出すためにスタッフにヒアリングシートを活用させ、要望項目を全て埋めることです。
当然のことですが、お客様はご自身の本当にほしいものをご存知ありません。
そのため、店舗スタッフが導いてあげる必要があります。
そして本当に欲しいものへと導いてあげる為には、お客様の情報が必要不可欠です。
お客様が求めるもの、お客様が喜んでご利用していただける提案をするために、要望を正確にヒアリングすることをスタッフに徹底させたのです。
どうやって徹底させたのかというと、ヒアリングシートに書かれている、お客様要望の項目を全て埋めたうえで、ヒアリングシートを私に提出させ、お客様へどうやって商品提案をするのか報告をさせたのです。
しかし、なかなか最初はうまくいきませんでした。
どのようなことが起きたのかというと
- ヒアリング項目を全て埋めない
- 私に状況報告せず、独断でお客様へ商品を提案する
- 私が不在時はヒアリングシートを全く使用していない
私は当時、とてもイライラしていたことを思い出します。
時にはスタッフに感情をぶつけてしまった事もありました。
当然のことですが、そんなことをしてもスタッフの行動は改善することができず、店舗の雰囲気はますます悪くなるばかりです。
そこで私はスタッフに望ましい行動をやり切ってもらうために、以下のようなスタッフ管理をしました。
- スタッフとお客様の接客状況を常に監視する。
- ヒアリングシートを埋めたうえで、私に報告するように指示
- ヒアリングシートのヒアリング項目を全て埋めることができたら、大げさでも褒める
- 私が接客中、スタッフとお客様の接客状況を確認できない場合は、リーダー格にスタッフとヒアリングシートを元に作戦会議をさせる
- 接客後の状況を必ず聞き、フィードバックする
- 私が店舗不在時は、翌日に、前日のヒアリングシートを全て確認する。
※またヒアリングシートの提出を誤魔化せないように、私が店舗不在当日の業務履歴を翌日に確認して、
ヒアリングシートの提出がないお客様の状況を確認してその場でヒアリング項目を埋めて私に提出をさせたのです。
そんなことをずっと行っているうちにヒアリングシートを全て埋めたうえで、
お客様になにをどうやって提案するのか、スタッフがお客様に商品を提案する前に自ら、私に報告をするようになったのです。
(2)お客様へ後追い電話フォローの徹底
後日、検討となったお客様へ、その後検討はどうなったのか、確認するためにスタッフから連絡をさせておりました。
しかし、思い通りにいかなかったのです。
スタッフは接客したお客様に、見積り内容をお渡ししてそのまま放置していたのです。
私はスタッフに状況を確認すると以下のような返答でした。
私「見積もり渡した件、どうなった?」
と聞いても、
スタッフ「えっと、結局来店されないですねぇ・・・」
スタッフはお店でお客様を待っていればいずれ来るだろうと思い込んでいたのでしょう。
そもそも連絡をするという意識が全くなかったのです。
当時、私一人でお客様に検討後の状況伺いの連絡をしていました。
しかし、私だけでは全員分のフォローをカバーすることはできません。
ではスタッフにどうやって連絡を徹底させたのか。
スタッフのスケジュールにお客様へ連絡する予定を入れたのです。
スタッフがお客様対応した当日に、お客様要望を私に報告させ、後日連絡する予定を入れるのです。
いつ、何時に、どのような話をするのか。
それだけです。
つまり部下の行動スケジュールを設定するのです。
またスタッフに、お客様へ連絡する前日と当日営業前に、お客様へ連絡する予定を確認(リマインド)しておりました。
毎日、スタッフにお客様への電話確認を行うと、スタッフが自主的にお客様へ電話をするようになったのです。
そして徐々にお客様の再来店日を決めることができ、また電話で購入する意思を確認することもできました。
(3)接客の楽しさを体験させる
接客の楽しさをスタッフに体験させるために、色々なことを考えました。
どうすれば接客をしてくれるのだろう。
そこで私は自分自身、なぜ接客が好きなのか考えてみたところ、以下の要因がありました。
・お客様から感謝される
・お客様に頼りにされる
・お客様から名前を呼んでいただける
・お客様から指名を頂ける
ここで気づいたのは、私は全てお客様からのリアクションがあって接客を好きになっていたのだと気づきました。
では、リアクションを頂けるためには、どうすれば良いのか。
よくよく考えてみると、私はいつもお客様にお節介なほど、お客様に商品知識を教えて差し上げていたことに気付いたのです。
そこで私は商品の専門知識をスタッフに共有しました。
何も難しい知識ではありません。
私が過去にやってきた、お客様の反応が良い商品知識を、スタッフに共有をしていたのです。
共有をする対象商品は、2つに選定しておりました。
それはiPhoneとらくらくフォン(初めてスマホをご利用する高齢者向き専用のスマホ)。
なぜこの2つの商品かというと、
- iPhoneに関してはご利用者様が多数でスタッフ全員iPhoneを所持している
- らくらくフォンに関しては来店するお客様層の約40%が高齢者で占めている。
何せたくさんの商品がある中で全てをすぐには覚えるのは難しいでしょう。
ですから手っ取り早く、商品知識を習得するために2つの商品に絞り込んで教育をしていたのです。
それに操作説明でご来店する高齢者のお客様が多い店舗ですから、自ずと説明する機会は多くなります。
高齢者のお客様へスタッフが親身になって操作の説明をすると、お客様は感謝をしてくださいます。
接客を重ねていくと、高齢者のお客様から、ご指名いただけることも増えたのです。
仲良くなると、ご家族やご友人を紹介していただけることもありますし、評判が良いと口コミでご来店していただくようになったのです。
この感謝される、頼られる、紹介をいただける、というようなことで接客が楽しいと感じられる、きっかけとなったのだと思います。
ですからまずは、スタッフがお客様と話すネタをつくるため、商品知識の提供を常に欠かさず店舗スタッフに共有していたのです。
(1)(2)(3)の気づいた共通点
人と自分の当たり前は違う。
私はスタッフに対して、なぜ当たり前のことができないのだろうと、悩まされておりました。
スタッフにとっては、当たり前のことが当たり前でなくても良いと無意識的なっているのだと気づいたのです。
ですから何が何でも、当たり前のことをやってもらうため、私自身スタッフとちゃんと向き合い続けたので、スタッフ全員が変わってくれたのだと思います。
それに当たり前のことをやるだけで、成果を上げることができたのです
正直すぐには成果が出たわけではありません。
ずっと当たり前のことをやり続けたことで、最終的に15店舗中5位という成果が出たのです。
基本は、当たり前のことをやること
このように、当たり前のことをしただけで、本来の成果を出すことができたのです。
これは、営業活動でも同じことです。
やるべきことをやってもらうこと。
マネジャーはスタッフに当たり前のことを実践させてあげることがとても重要なことです。
なんでここまでやらなきゃいけないのだ、と思ったこともあります。
しかし、実践させることで自ずと結果は出てくるはずです。
まずは、当たり前のことが出来ているのか見直してみてはいかがでしょうか。