コンサルタントの小嶋です。
アタックスグループには「いかにすれば可能かを語れ。なぜ不可能かを語る必要はない」という社員行動指針があります。毎週月曜の全社朝礼で唱和をするのですが、私は毎回自分自身に誓うつもりで唱和をしています。
どんなに「自分に厳しく!」と思っていても、どうしても自分を甘やかしたくなってしまう瞬間は誰にでもあるかと思います。
不慣れなことや苦手なことは後回しにしがちですし、出来れば避けたいと思うのが人間の心情です。
営業パーソンもしかり、上司から言われているタスクであっても不慣れなものは後回しにしたり、苦手なお客様に対しては足が遠のいてしまうのではないでしょうか。
知っているけどやらないのか、知らないからできないのか
上司から部下を見たときに、部下が指示したことをやらないケースは、大きく2つに分類できます。
1.不慣れなことや苦手なことだから後回しにしているケース
2.どうすれば良いか分からず悩んだまま手が止まってしまっているケース
どのような仕事であっても部下に業務指示をした際に、指示された業務に対して、
どこから手をつけて良いかがわからない
次にどのようなアクションを起こさないといけないかがわからない
という状態では、あたりまえですが業務が前に進むことはありません。
これは営業活動においても同じです。
トップセールス上がりの営業リーダーが部下育成にてこずる?!
多くの組織において、営業リーダーをされている方は、これまで営業目標を達成してきた実績を買われ、リーダーに就任していると思います。
数字を上げるためにお客様との関係性を築き、購買欲求に訴求した提案をすることで、売上を作ってきた方々がリーダーとなり部下を預かっているのではないでしょうか。
しかしながら、そのような営業リーダーができる営業を育成できるかというと、必ずしもそうではありません。
プレイヤー時代、分からないことは自ら先輩に質問し、先輩のやり方を盗んで、ご自身の中で売上を上げる方法を確立してきた。
その方法を部下に教えても、なかなか思うように行動してくれない。同じやり方をやっているはずなのに、自分のように数字をつくれない。
このように自分が売れた方法を伝授したのに部下が結果を出せない、と営業育成に苦労している営業リーダーは少なくないのです。
その原因は…教育とマネジメントの使い分けにあり!
なぜ、同じやり方をしているのに、部下は売れないのでしょうか?
その要因は、教育とマネジメントの使い分けを間違っているのかもしれません。
学習の4段階という言葉をご存知ですか?
・無意識的無能=知らないからできない
・意識的無能=知っているけどできない
・意識的有能=知っていて意識すればできる
・無意識的有能=知っていて意識しなくてもできる
「無意識的無能」とは、知らないからできないという状態。
この状態ではいかにマネジメントをしようとしても、そもそも知らないのでマネジメントしようがありません。無意識的無能の時は、まずは教育をし、知っている状態を作らないとはじまりません。
では、知ったからといってできるかというと、そうではありませんよね。
知っていてもできない・やらない人に必要となるのが、マネジメントです。そして部下育成・営業育成が上手くいっていない多くのケースにおいて、このマネジメントが不足しているのです。
教育とマネジメントは別物です。営業リーダーの皆さんは部下の状況に応じて、教育が必要なのか、それともマネジメントが必要なのかを見極め、部下が「無意識的有能」になるまで継続的なマネジメントを行ってくださいね。