コンサルタントの横山です。
「山崩し」という遊びを知っているでしょうか。
砂を盛った山の頂点に棒を立て、順番に棒が倒れないように砂をからめとっていく遊びです。棒を倒してしまった者が負け、という簡単なルールなので、昔から多くの子どもたちに親しまれてきました。(地方によっては、「棒倒し」とも呼ばれます)
さて、この「山崩し」ですが、どこまで棒が傾いたら、棒が倒れてしまうか。予測はつくでしょうか?
少し、考えてみましょう。
5度でしょうか?
10度でしょうか?
15度でしょうか?
20度でしょうか?
時計の長針が「5分」を差すと【30度】傾いていることになります。30度だと、かなり傾いている感じがしますね。普通の砂山なら10度も傾いたら、倒れてしまうのではないでしょうか。
組織が倒れる角度は知っていますか?
それでは、経営だとどうでしょうか。どれぐらいの目標達成率だと、その組織は崩れてしまうでしょうか。
90%でしょうか?
80%でしょうか?
70%でしょうか?
60%でしょうか?
少し考えてみましょう。
売上目標の達成率が90%だと、売上総利益も90%になるでしょうか。
売上から変動費をひいた限界利益率も90%になるでしょうか。
売上から総原価をひいた営業利益も90%になるでしょうか。
果たして経常利益は?
当期純利益は?
現金の出入りを表現するキャッシュフローは?
同じように90%になるでしょうか。
経営をまったくわかっていない人が営業部長、営業課長をしていると、少しぐらい目標が未達成でも、それほど焦らないかもしれません。
「昨年実績が91%の達成率で今年は93%だから、昨年実績よりも上がっている。うん、だからよく頑張った。」
……などと、自己評価する営業課長に出会ったことがあります。恐ろしい判断軸です。
「砂上の楼閣」にいることが、まったくわかっていません。この考えはとても危険です。
新規開拓を文化にすべき
ではどうすれば、いいのでしょうか?
ミドルマネジャーなのですから、経営の勉強することは当然必要です。
それに加えて、外部環境の変化に対して敏感になることが大事。
そのためには、常に一定量の「新規開拓」をしていきましょう。
市場における自社の商材の立ち位置を把握するためにも、大事な活動です。
たとえ既存顧客の深耕だけでも目標達成するとわかっていても、ダメ。
プロスポーツ選手が練習を怠らないのと同じように、新規開拓はやっていくべきです。
ぜひ、新規開拓のストレスをゼロにする『予材管理』を使って、新規開拓の文化を組織に取り入れていきましょう。
→新規開拓のストレスをゼロにする「予材管理」とは?
粘り気のある砂山に変えることで、よほどのことで棒が倒れることはなくなります。