予材管理の実施例

今後待ち受ける環境の変化に耐えられない。そのためにチームを建て直す。

株式会社弘益

設立
1974年(昭和49年)7月22日
資本金
5,000万円
従業員数
100名
事業内容
オフィス家具、ホーム家具、別注家具の企画、輸入、製造販売
ウェブサイト:http://koeki-net.com/
予材管理定着のために受けたサービス
ここがポイント!
  • 予材管理マスターコースを事業部全員で受講
  • 「予材」「白地」というこ言葉が社内の共通言語に
  • 「どこで・どんな売上を作るか?」「どこで新しい仕事を作っていくか?」と意識する
  • セールスフォース・ドットコムをカスタマイズして予材管理を運用
  • ある程度覚悟を持って取り組むと、結果が出てくる

予材管理を導入する前、どのような問題が起こっていましたか?

弘益様とは、数年前に我々が営業コンサルティングを指導していた頃からのお付き合いですよね。

はい。数年前、横山さんと水田さんが弊社にコンサルティング支援をしてくれていました。その時、私は営業部門の所属ではありませんでしたが、当時の営業部門が予材管理をしていました。

ただ、コンサルティング指導が終了し、横山さんや水田さんの目がなくなると、いつの間にかやらなくなってしまったと聞いています。外部からの指導がなく、自分たちだけで運用していくには、やっぱり難しかったそうです。

一度やめてしまったのに、また改めて予材管理に取り組もうとしたきっかけは?

私は当時、営業ではなく管理部門にいて、アタックスさんからの指導は直接受けていませんでした。ですがアタックスのセミナーには参加していて予材管理の考え方にはとても共感していたんです。

そんな折、2年程前に管理部門からホーム事業部の営業部門を統括する立場になったので、そのタイミングに合わせて、予材管理をもう一度やってみようと思いました。


予材管理を行ってみていかがでしたか?

取り組みをやめてしまった予材管理を再度おこなうとなると、ご苦労もおありだったのでは?

そうですね。書籍を読み、予材管理を学ぶ1日セミナーを私が受講した上で予材管理を再度取り入れようとしましたが、うまくいきませんでした。

うまくいかなかった理由は?

1つは、社内からの反発です。以前予材管理を取り組んで定着しなかったのに、なぜ再び取り組むのか?という意見は、当然ですが出ました。

そしてもう1つは、1日セミナーを受けたくらいでは予材管理の本質は理解できないという理由です。充分な理解をせずに導入しても、予材管理は定着しません。

社内からの反発は、他社でもよく聞かれます。貴社ではどのように対処したのですか。

前提として、ホーム事業部では家庭用家具を扱っており、ルートセールスが約9割です。これが、既存顧客から注文いただく定番商品での売上に当たります。

そして残り約1割は、お客様に対して営業マンから能動的にアプローチを仕掛けることによって、新しく作らなければならない、別注案件での売上にあたります。

ホーム家具は、市場が厳しい。今後さらに外部環境が厳しくなることが分かっている中、既存顧客の売上も減少傾向にあり、新規顧客の開拓をしなければなりませんでした。

ですが、これまで既存顧客に依存しており、新しい顧客・新しい販路に対するアイディアが出ない状態になっていたのです。

このままでは、今後待ち受ける環境の変化に耐えられない。そのためにチームを建て直すのだと、私と常務の小林とで言い聞かせました。

しかし、既存顧客での売上も減少傾向とは言えまだ十分あると聞いています。その場合予材管理をおこなう必要性を感じない営業パーソンもいたのでは?

“だからこそ”、予材管理なんです。既存顧客に余力はなく、減少する売上を補填するためには、新規で仕事を取ってこなければなりません。

ということは、確度(成約率)は低い。だからこそ、目標予算の2倍の予材を積まなければ、予算は達成しないと言い続けました。

1日のセミナーを受講し、導入が進みづらい中、どのように予材管理を理解していったのですか。

水田さんから、「予材管理マスターコース」(2017年9月をもって終了。予材管理方針書コースに移行)の受講を勧めていただき、最終的には、ホーム事業部8名全員が受講しました。

予材管理をおこなう上で共通言語ができたのも、同じ講座をチーム全員に受講させたからです。

水田さんから教えてもらえる機会があったから良かったようなものの、私からメンバーに直接落とし込むとなると、相当大変だっただろうと思います。

1日セミナーではなく、5ヶ月間の「予材管理マスターコース」を受講して、ようやく理解できたこともありましたから。

担当コンサルタント・水田の指導はいかがでしたか?

水田さんは、自社のおかれた状況を理解してくれました。とても頼もしかったです。

また、事業部8名全員が「予材管理マスターコース」を受講した時、別会場で・受講時期がズレていました。

そんな時も、水田さんは各課員の受講状況をフィードバックしてくれ、月に1~2回は面談をしていました。やっぱり、コンサルタントの方と一緒にやっていくのがベストですね。


予材管理を活用し、どのような成果が生まれたのですか?

予材管理を活用することで生まれた成果には、どのようなものがありますか。

共通言語ができたことは良かったですね。会議でも「予材」「白地」という言葉が飛び交っています。

そしてもう1つ。これまでは、「数字は達成したけど、その要因が何なのか今一つ明確ではない」という状態だったんです。

どの商材を・どのように提案した。だから、売上が上がった。又は売上が下がった。この因果関係が不明確でした。

それが今では、「どこで・どんな売上を作るか?」「どこで新しい仕事を作っていくか?」と意識するようになりました。とても重要なことですよね。この意識は予材管理をおこなうまでは少なかったです。


予材管理を活用するコツやノウハウ、意識している点を教えてください。

ところで貴社は、何のツールを使って予材管理をおこなっているか、教えていただけますか?

はい。弊社では、セールスフォース・ドットコムを使って予材管理をおこなっています。運用しやすいように、カスタマイズを加えました。

最後に、予材管理導入を検討している方に対してメッセージをお願いします。

横山さんの書籍を読んで予材管理をやってみたい、という人はきっと多いですよね。考え方はシンプルだし、すぐ結果が出そうな気もします。

ですが、中途半端な気持ちではなかなか進みません。また、他の色んな施策も一緒に、あれもこれもという形でおこなうのは難しいです。ある程度覚悟を持って取り組むから、結果が出てくると言えます。

弊社の場合、事業部全員が予材管理マスターコースを受講しました。が、個人によって理解の差は当然出ます。なので、そんな時相談できるコンサルタントがいると、とても安心ですよね。予材管理を導入するなら、コンサルタントと一緒に進めていくのが、最も良いのではないでしょうか。