【受け身から戦う営業へ】営業組織改革を成功させる3ステップ

「お客様がWEB検索でより安い会社に乗り換えている」「以前はルート営業で数字を作れていたけれど、市場が縮小気味は…」「うちみたいな差別化できない商品だと簡単にWEBで比較され、価格競争に…」

今の営業スタイルを続けていては、売上は下がる一方…なんとかV字回復させなければ会社の未来が危ない。

さらに、働き方改革が叫ばれる昨今。以前のように長時間労働のスタイルに頼っていては、社員が離れてしまったり、新たに採用もできないのでは…と心配されている会社様が増えています。

そこで今回は、経営者・営業幹部の方向けに、生き残る営業組織に変える3つのステップをご紹介します。


 

営業の組織改革とは?

営業組織改革の目的は、今、問題を抱えている組織を本来の「あるべき姿」に改善することです。

組織を構成する3つの要素、それは

1.組織目的…組織のメンバーが共通の目的をもっていること
2.貢献意欲…全員がお互いに協力する意識をもっていること
3.情報共有…組織のメンバー同士が円滑なコミュニケーションが取れること

営業組織の組織目的は何だと思いますか?

よく、「コミュニケーション不足」「営業のモチベーションが低い」から営業の組織改革を……と考える会社がいらっしゃいます。もちろんとても大切なことなのですが、「コミュニケーションが活発になる」「営業のモチベーションが上がる」ことが本当のゴールなのでしょうか。

上司―部下間のコミュニケーションを活発にして、営業が育つ。そして営業ひとりひとりが売上目標を達成できるようになる。営業のモチベーションを上がり、売上がアップする……。つまり営業組織の組織目的とは、営業目標を達成することなのです。

 

営業組織の「あるべき姿」

組織は単なる集団ではありません。

一般的に個人プレイが多いと言われる営業組織であっても、メンバーが組織の共通目的、つまり営業目標の達成に向かって互いに協力し、活発にコミュニケーションをとっている状態が、営業組織のあるべき姿です。営業組織改革ではまずこの姿を目指します。

次から、実際に営業組織改革に取り組む手順をご紹介します。

 

営業組織改革の手順

これまで多くの企業の営業組織を改革してきた経験から言えること。
それは営業組織の「風土」が良くない限り、「仕組み」から入ると失敗する可能性が高くなるということ。

 

システムや制度を整えれば営業部が良くなる!は幻想

組織風土が良くない会社では、社員は組織の「あるべき姿」を理解していないケースが少なくありません。

そのような状況でシステムや制度といった仕組みの改革から取り組むと、社員たちは「仕組みを新しくすることを目的」と思うケースが少なくありません。

例えば、営業支援システム(SFA)を導入すると、営業担当者は「会社が新しいシステムを導入した」ぐらいにしか思いません。「なぜこのシステムを導入したか」を理解していないので、「入力が面倒」「時間のムダ」「今まで無くても営業できていたんだから、自分たちには不要」とマイナスの思いが先行し、なかなか定着しません。

「営業同士のエリアや顧客の重複をなくして、営業活動を効率化する」「社内業務を簡素化して、営業活動に行ける時間を増やす」「情報共有をタイムリーにして、機会損失を減らす」など、仕組みを入れることに【目的】があり、仕組みはそれを達成させるための【手段】だという認識がない限り、仕組みを活用しようとしません。

また活用したとしても導入当初だけ。効果が出る前に使わなくなったというケースがほとんどです。

 

組織改革の順序は「仕組み」の前に「風土」

営業組織の改革を成功させるために大切なこと。それは順序です。

まず営業の半数以上が受け身ではなく、自主的に考えて動く風土を作る。それから仕組みを整える。

上でも解説したように「風土」が変わらない限り、「仕組み」を入れてもうまくいきません。しかし「仕組み」を整備するより、「風土」を改善する方が遥かに困難です。

まずは営業組織の「風土」を改善し、「仕組み」を導入する。その「仕組み」によってさらに営業組織の「風土」を良くしていく。これを繰り返していきましょう。

営業組織が本来の機能、営業目標に焦点が合い、自分たちで考え、組織全体で営業目標を達成するんだという風土ができれば、8割のメンバーは自主的に動くようになります。これが組織の力です。

 

営業組織改革における経営者・営業幹部の役割

営業組織改革に取り組むには、「風土(意識)」→「仕組み」の順で取り組むべきとお伝えしてきました。

実は、それ以前にやるべきことがあります。
それは、経営者や営業幹部などのリーダーが熱いメッセージを営業組織全体に発信し、「組織目的」を認識させることです。それも1度や2度ではなく、何度も伝えることです。

間違ってもやってはいけないこと。それは「みんなで組織改革をしよう!」などという投げかけです。

リーダーが具体的な営業部の「あるべき姿」、つまり組織改革後の未来の姿を何度も伝えます。そして、社員に主体性がないのであれば、「自分が先頭に立ち営業組織を変える」「営業組織の雰囲気が変わるまで、断固として諦めない」というリーダーの強い姿勢・態度を見せるようにしましょう。

主体性のない人の考え方を変えるには、その考え方を塗り替えるぐらい何度も伝えることが大切です。それは営業組織の「風土」も一緒です。

はじめは、リーダーがどんなにメッセージを発しても、社員たちが「また言ってるよ」「どうせ今だけでしょ」と思うことがあります。それでも何度も繰り返し言い続けることで、リーダーの「本気度」が伝わり、「やらなければいけない」空気ができてきます。

3つのステップで営業組織改革を成功させる

営業組織改革は、

(1)リーダーが熱いメッセージを繰り返し
(2)メンバーの意識・営業組織の風土を変え
(3)風土ができた上に「仕組み」を導入する
この3段階で進めることが大切です。


そして営業組織改革に取り組んだばかりの頃は、風土は一進一退を続けます。いったん良くなっても、何らかのきっかけで悪い状態に戻ったりします。その度にリーダーは「何があっても元には戻らせない」というメッセージを発しましょう。

営業組織改革に必要な時間

これまでの当社のコンサルティング実績から考えると、スムーズに進行してもここまでくるのに早くて半年、通常は1年ぐらいかかります。

もし1年で風土が全く変わらないのであれば、リーダーに原因があるケースがほとんどです。リーダーの姿勢が中途半端であったり、無意識のうちに途中であきらめている可能性がありますので、一度、確認してみてくださいね。

 

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