提案営業で身につけるべきスキルとは?

「提案営業」「ソリューション営業」「コンサルティング営業」など、お客様の悩みやニーズを満たす提案を行うような営業スタイルをよく耳にします。

今やAMAZONで数クリックすれば、ほしい商品が手に入る時代。いつ来るかわからない営業を待っている間に、Google検索で解決なんてことも増えています。このような時代において、お客様は提案営業に何を求めているのか?営業が生き残るために必要なスキルをご紹介します。



提案営業とは

提案営業とは、お客様の潜在的な問題や課題をヒアリングによってお客様に認識させ、その解決策を提案する営業です。しかし、多くの営業担当者はヒアリングをすればお客様が課題を教えてくれる、だからその課題に対して提案することが自分の役目と思っていらっしゃいます。


もちろん、お客様が自ら「うちではこんなことが起こっていて、○○を解決したいと思っているんだよね…」と話してくれたら営業活動はやりやすくなりますよね。しかし残念ながら、そう簡単にはいきません。新規開拓であればなおさらです。お客様とある程度の信頼関係がない限り、「間に合っています」などと門前払いされ、こちらの質問に耳を傾けていただくステージにすら上がれません。

提案営業に必要なスキル

お客様に自身の問題を気づかせるには、
・お客様のあるべき姿と現状のギャップを認知されるための質問
・問題の重大性を気づかせるための質問

この2つを組み合わせて質問することがポイントです。


またヒアリングの最中、お客様の頭を整理することも重要です。

「お客様のお悩みは、こういうことではありませんか?」
とヒアリングで聞き出した内容をわかりやすい表現で整理しながら、お客様に自社の問題点を認識させることが大切です。


そうすることでお客様は、

「この状態を放置しておくと、こんなにも恐ろしい問題が発生するかもしれない…」
と現状と問題を紐づけて認識できます。この状態になってはじめて、その問題を解決する商材を提案するステップに移ります。


提案営業の難しさ

お客様が問題として認識していない問題に気づかせて提案できるコミュニケーションスキルはもちろん大切です。しかしこれらのスキルは「提案営業のために、コミュニケーションスキルを上げよう」と頑張って、2~3日で身につくようなものではありません。


コミュニケーションスキルに代表される営業スキルは、書籍などから知識として取り込んだ状態から自由自在に使える状態になるまでに大きな壁があります。営業活動の中で自然に使えるようになるには、ロールプレイングなどで何度も繰り返しトレーニングすることが必要です。


御用聞き営業のすすめ

だからこそ、「御用聞き営業」に立ち戻ってみませんか。


御用聞き営業のやり方

(1)短い訪問(数分程度)を繰り返し、お客様と信頼関係を構築する
(2)訪問の5回に1回は、「何かお困りごとはありませんか?」とお客様の御用を聞く


ここで訪問頻度が少なすぎては、問題が発生した時にお客様はGoogle検索してしまいます。しかし、サザエさんの三河屋さんのように日ごろから顔を出し、信頼関係が構築されている状態であれば、問題が発生したときにまずはあなたに聞いてみようと思うはずです。


情報が溢れかえっているインターネットで探すより、よく知っているあなたに頼んでサービスを提供してもらった方が手間もかからず、サービスの質はどうだろう…といった不安もありません。


まずは2週間に1度、数分で良いのでお客様を訪問することからはじめてみてくださいね。


お客様と関係構築する2つのコツ

お客様への短い訪問を繰り返す目的は、信頼関係を構築すること。
そのためには商品の売り込みではなく、お客様のペースに合わせて情報提供することが大切です。

「この営業とは気が合うなぁ」
「一緒にいて居心地が悪くない」
「タイミングがいいんだよね」
などとお客様に感じてもらうことで、あなたの信頼を高めていきます。


お客様と構築するためのコミュニケーション技術は無数にあります。しかし「提案営業」と一緒で、頭では理解できても短期間で使いこなせるようになるには難しいというのが現実です。ですので、今回は特別なコミュニケーションスキルを使わずにお客様の心を開く2つのコツをご紹介します。


1.2ミニッツ営業で信頼関係を構築

2ミニッツ営業とは、2分間ぐらいの短い訪問を繰り返し、お客様との信頼関係を構築する営業活動です。

 

そんな短い時間で何ができるの?商品説明もできないのでは?と感じるかもしれません。しかし、アメリカの心理学者ロバート・ザイアンスが発表したように、「繰り返し接触することで自分の好意度や印象を良くすること」ができます。

 

2ミニッツ営業も目的はお客様との信頼関係を構築することですので、お客様にとって有益な情報を1週間に1度、2週間に1度など定期的にお届けしていきましょう。(詳しい方法はこちら


2.自己開示でお客様が「話しやすい」空気を

お客様と関係構築をするためにはまず自分の顔を覚えてもらうことが必要です。コツ1でご紹介したような単純接触の機会を増やし、その中で自己開示をしていきます。


そうすることで「自己開示の返報性」が働き、お客様も自分自身の悩みや課題を話してくれる可能性が高くなります。


例えば自己紹介。

「私の名前は横山信弘です。
名古屋出身で、24歳から3年間、青年海外協力隊でコーヒー豆の産地で有名なグアテマラという国で活動していました。
21歳の頃から知的障害者のボランティア活動を続けており、私のライフワークです。
家族は妻、息子と娘の4人家族。最近はパスタづくりがマイブームでブログも書いています。」
このように自己開示すると、相手の印象はとても変わります。


「青年海外協力隊?!自分も憧れていたんだよな」
「名古屋出身の方なんだ。そう言えば妻が名古屋出身だ」
「横山さん、パスタ作っているの?情熱的なセミナーが多いからアラビアータが似合いそうだな」
など、キーワードを無意識のうちにつなげて、「意外と自分に近いな」と親近感を抱いてくれます。


お客様にとって近しいキーワードが少なくても問題ありません。10個並べてみて、お客様が1つでも気にしてくれたり、共感をもってくれたら成功です。


このようにお客様にまずは心を開いてもらう。そして、単純接触を繰り返す。
ぜひ、今日から実践してみてください!
→ 提案営業で役立つ!「セールストーク」に関する記事一覧はこちら


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